本日の日本経済新聞で、現在の成長戦略と
今後の日本を考える上での3件の注目記事が
ありました。勝手な私見を入れてブログに
記載しました。
①成長戦略「国内投資戻らず」
設備投資は増加していますが、輸出額2割を
占める自動車の生産比率はリーマン後、50%
から65%に増加し、円安になってもその流れは
止まらない。国内投資を増やすには法人税率の低減で対海外競争力の向上が必要であり、数年で
20%台にすると言っているが、その工程は玉虫色の状態で、説得力が乏しい。現状、円安等で大企業
の収益は増加しており、その面では国の税収を増加しているが、中規模企業、小規模企業の収益向上
の施策をしても、もともとこれらのほとんどの企業は赤字なので、税収増加はそれほど見込めない。
税収面だけでいえば、期待していないのが財務省の本音のような気がする。但し、就業者の所得税
増加や購買力向上のための中小企業や小規模企業への成長戦略、支援方策は、もちろん必要である。
②揺らぐホンダ
数年前のトヨタ、ナショナル、ソニー、そしてこの記事でのホンダ!日本を代表する世界ものづくり
メーカーの経営根幹に係わる問題が発生している。本記事での欠陥エアバックの品質問題を10年以上
も、リコール報告なかったと言われているように、昨今、企業においても品質管理の意識が薄れて
しまっているのではないか、と感じる。市場環境の急激な変化に対応するため、企業、国策含めて
新商品開発、新マーケット開拓の戦略にあけくれ(もちろん生き残るために最重点戦略であるが)、
経営ビジョンから”品質”という視点が抜き落ちてしまっていることがあるのではないでしょうか。
品質管理を中心とした企業の業務改善を指導、支援している者にとっては、革新的な外部への成長
戦略はもちろん必要であるが、同時に、企業内部の改善による企業体質向上活動を怠ってしまうと、突然に極めて甚大な経営損失が生ずることを、経営者は今一度、認識すべきである。
③米シェール、薄れる楽観論
原油の供給能力過多にもかかわらず、生産調整せず、価格はまだ下がり気味である。これは、シェル
ガスとの競争力強化の背景があると言っている。以前は1バーレル100ドル以上していたが、現在は
80ドル台、これを50~60ドルにすれば、シェルガスの生産投資ができなくなるとのことである、
もう一方、記事の記載はないが、原油価格低下で供給国ロシアの収益を、なくするという国際戦略
でもあると言われている。原油に係わらず、今後の資源価格は、従来のように需要と供給のバランス
だけでなく、国際的な政治戦略が複雑に絡み合い変動するという認識を持ってウォッチしていく
必要がある。
コメントをお書きください
tkg-I (日曜日, 30 11月 2014 13:00)
全く同感です
原油価格のもう一つの見方は、初耳でした
ありがとうございました